札幌自転車日記

札幌で(古い)自転車に乗る人の日記。

モンベル・サイクル ハンドウォーマー

モンベル・アウトドライ サイクルグローブ(旧型)を購入してから一年経ちましたので、感想を。

  • 良い点…防水は完璧で大雨の日に使つても水が中まで浸透しない。
  • 悪い点…秋の夜でも冷たさを感ずる程度に防寒防風性がない。

防水性は値段分の効果が期待できますが、生地が薄手なので秋から春先にかけてはそのままだと寒くて使ひものになりません。

結局クリマプラス200 インナーグローブを中に履いて使つてます。この組み合はせだと秋や春先でもそれなりに防寒性が付与されて使ひやすいのですが、寒風には弱く、そもそも雪が降る冬だと防寒性もあまり効果がありません。

 

f:id:santarou98:20151215054929j:plain

f:id:santarou98:20151215054942j:plain

といふ訳で安売りされたモンベル・サイクル ハンドウォーマー買ひました。サイズはグローブのサイズと同じもので合はせれば問題ないでせう。

雪降る冬に2、3日使つてみました。

  • 良い点…以前の組み合はせよりも格段に温かく、多少の風も冷たさを感じない。
  • 悪い点…3本指での取り付け外しが面倒。

防風性は期待通りで、防寒性もそれなり。寒い部屋から手やグローブが冷たいままで使ふとか、外気温が-5度を下回つたりすると一寸厳しいかもしれません。

これ以上の防寒性を期待するならバーミッツ(フラットハンドル用ドロップハンドル用アリ)を使ふとか、さらに投資を惜しまないのであれば厳冬期でも使える冬用自転車向け各種小物を開発してる45NRTHのハンドルカバーCOBRAFISTSTURMFIST 5(5本指)やSTURMFIST 4(4本指)といつた自転車用手袋を購入するのが良いでせう。

お金がないなら他社性の一般自転車向け防寒ハンドルカバーやホームセンターで安価に手に入る防寒手袋が厳つかつたり蒸れたりするのを除けば対費用効果に優れてます。

パグスレー完成

f:id:santarou98:20151209131908j:plain

バーテープを巻いてバーレストに専用ゴムをはめ込み。

今回は革に質感の似たディズナのアースバーテープを使つた。バーエンドはもちろん、ブラケットテープとケーブル固定テープとフィニッシュテープが付いてきてお買ひ得。

f:id:santarou98:20151209155826j:plain

最後にペタルを取り付けて完成。

f:id:santarou98:20151209155734j:plain

スローピングフレームでドロップハンドルだとミキストぽくなるかなとも考へてましたが、意外とこれはこれで様になつてるのではないかと。

f:id:santarou98:20151209170240j:plain

そして完成後のサイクリング。

  • タイヤの接地面が多いのでこぎ出しはそれなりに重いが、その分タイヤが地面に食ひついて悪路でもこげる。速度が出ればこぎ出しの重さも気にならず走れる。
  • ファットバイクにカンティブレーキは問題なく利く。台湾ブロンプトンの利かないブレーキ以上でギリギリ調整されたカンティブレーキ未満な出来。調整次第か。
  • フリクションなバーコンはWレバーともまた違つた感じだが、慣れるとWレバーと変はらず。Wレバーと比べると常にハンドルを握るので安心感はある。
  • 乗り心地の好みなユーラシア号のハンドルポジションの再現を意図して、ユーラシア号のトップチューブ長とハンドルステム長を足した長さと、パグスレーの仮想トップチューブ長とハンドルステム長を大体合はせたのは大正解でとても乗り易い。
  • サドルはテキトーなのを取り付けたままなので革か何かに変へ、冬用実用車として活躍出来る様に荷台も取り付けたい。

とりあへず乗つて走つて停まれる様にはなつたので、これからも手を入れつつ冬用自転車として活用して行きます。

パグスレーへ変速周りを組み付け

前回から引き続き、今回は変速周りを組み付ける。

まづはクランクを外す。

f:id:santarou98:20151206142640j:plain

8mmアーレンキーでクランクのフィキシングボルト(正ネジ)を外して。

f:id:santarou98:20151206150206j:plain

コッタレスクランク抜きでクランクを外す。

ここで穴が開いてる軸に対してTL-FC15を使つて一時的に穴を埋める場合もあるが、今回は径が合はなかつたので使はずに外した、軸の穴の径が狭い為にクランク抜きが軸の穴に嵌合せずに済んだ。

f:id:santarou98:20151206150340j:plain

Truvativ HussefeltはISIS式クランクだが、BB小物の取り外しにはホローテック用の工具を使ふ(右は逆ネジ)。ここはISIS専用工具を使ふ場合もあるので、形状をよく確認されたい。

f:id:santarou98:20151206151752j:plain

なんでハンガー小物まで外したかといへば、シマノ・デオーレXT(FD-M760E)Eタイプの前変速機を取り付ける為。

シマノの取扱説明書によるととBBシェルとBB小物の間に挟み込んで取り付けるさうで、パグスレーの場合だとフレーム側にも専用の工作がされてをり、前変速機を固定出来る。

f:id:santarou98:20151206151843j:plain

今回は前三段が可能な変速機を取り付けたが、トリプルだとタイヤに擦る様でダブルを前提としてるらしい、色々工作がされてる割には制限が多い。

f:id:santarou98:20151207185225j:plain

後変速機はシマノ・デオーレXT(RD-M760)、やはり銀色の変速機が好み。

今回はフリクションなバーエンドコントローラで変速する為、あへて少し古い型の変速機を揃へた。現行のデオーレはdyna-sys規格で構成されてをり、フリクションのWレバーやバーエンドコントローラーではシフトケーブルの引量が異なる為、使用できないさうだ。

f:id:santarou98:20151207191656j:plain

チェンを前後一番外側の歯に引つ掛けて、チェンを張る。かうしないで、前後内側に合はせてチェンを張つたりすると変速に必要な分のチェン量を誤り、変速が上手くいかない。

チェンを張るのにはチェン用のフックがあると便利だ、写真のアストロプロダクツ製は五百円もしないのでだいぶ前に買つて工具箱に入れてあつた。

f:id:santarou98:20151207192129j:plain

チェン切りはパークツールのCT-5で10速まで対応してをり、小型で場所を取らないので遠乗りの際も携帯してる。

f:id:santarou98:20151207193302j:plain

チェン付属のコネクティングピンで繋いだ様子。余つたピンはペンチで折る。

今回は114コマから4コマ間引いて110コマとした。

f:id:santarou98:20151208171147j:plain

シフトケーブルの取り回し、ここまでやつた後から気づいたがシフトケーブルをハンドルの下から出してる人は居ても上から出してる人は居ない。アウター上出しのブレーキケーブルの取り回しぽくて気にならないかなと考へてたが、なんだか気になつてきた……しかし直すのが面倒なのでこのままで進める。

f:id:santarou98:20151207194107j:plain変速の調整は以前やつた段階付きのアキュシフトプラスの調整(失敗)に比べると無段階のフリクションなのである程度大雑把でも済み、楽だ。

f:id:santarou98:20151207194039j:plain

9段のスプロケットはBBBの11-34T。

調整終了後、前後のホイールを入れ替へる。

f:id:santarou98:20151208142428j:plain

後ホイールを外した際にチェンを保持する為にMr.コントロールのチェーンハンガー チェーンキーパーを使用した。フレームにチェンレスト(引つ掛け)があれば要らないが、ないフレームの場合は重宝する。またエンド幅を選ばないので古い自転車の整備の時などにも使えるかも知れない。

f:id:santarou98:20151208143600j:plain

前後ホイールを入れ替へて非固定シングルギア。これも調整したが特に問題無し。

ここがパグスレーの個性的なところで、前後共に135mmのリアハブでホイールを組むので前後に異なるスプロケットを取り付け、必要に応じて交換する事が可能なのだ。

冬は変速機が凍つたり、路面の凸凹が酷く変速しない場合や晴れて路面の状態がいい場合等を考慮して、今回はシングルギアと多段ギアで組んでみた。

次回は実際に乗つて走る。

パグスレーへカンティブレーキを組み付け

f:id:santarou98:20151204185430j:plain

前回から集めてた部品が揃つたのでブレーキ周りを組み付け。

アヘッドステムは45mm長へ変更、ダイアコンペのブレーキアウター受け(1701)とバーレスト(DC138)を取り付け、ギドネットレバーにはGC202、204QC用アジャストボルトを使用。

f:id:santarou98:20151204185511j:plain

VIVAのコラムスペーサー付きベルも取り付けた。

f:id:santarou98:20151204190417j:plain

シートポストは栄輪業の溝付ラプラード型へ。

f:id:santarou98:20151204190547j:plain

ブレーキアウターは以前ロードマンスーパーコルモをドロップハンドルへ換装した時にとつておいた古い日泉のクリアアウターを使つた。案外知られて居ないがこれは今でも手に入る現行品である。

初期型パグスレーはフレームのブレーキアウター受けが存在しない為、ケーブルのフレームへの固定はケーブルタイ(巾2.5mm)を使用した。

f:id:santarou98:20151204185222j:plain

後ブレーキはダイアコンペDC983を取り付け、アーチワイヤーは現行品だと長さが足りず、古いフラットレバー向けのブレーキワイヤーをアーチワイヤーとして代用(長さ約450mm)。MTB向け~等と表記される現行のものでも代用できる。

古い両太鼓のカンティブレーキだと、ブレーキワイヤーをアーチワイヤーとして代用する際片太鼓のワイヤーに太鼓(BMX向けのブレーキ等に付属するワイヤーストッパー)を探して取り付ける手間がかかるので、なるべく片太鼓のカンティブレーキを使ふのが良い。

f:id:santarou98:20151204185245j:plain

パグスレーにカンティを付けてる人は、皆チドリを付属品からサルサやポール、Mr.コントロールの横に大きな物へ換装してゐたのでダイアコンペの小振りなものでも使えるかどうか気になつて居たのだが、一応は使えた、しかしご覧の通り余裕がなく走行中に跳ねたりすればタイヤの凹凸にアーチワイヤーが擦る可能性が高い。

タイヤが26 x 3.7のサーリー・エンドモーフでこれなので、より太いタイヤでカンティを使ふ場合、チドリは大型のものに交換しておいた方が無難だらう。

f:id:santarou98:20151204185538j:plain

前ブレーキはダイアコンペDC960の片太鼓版でシューの微調整が可能なDC962を取り付け。アーチワイヤーは使ひ古しでも長さが足りた(長さ約380mm)。かうして前後比べると当たり前の事だが、横に出つ張るワイドプロファイルなカンティより、DC96xシリーズの様に小振りな、もしくは現在廉価に出回つてるロープロファイルなカンティならアーチワイヤーが短くて済む事がわかる。

f:id:santarou98:20151204185623j:plain

前でもダイアコンペのチドリを使つてゐるが、後と比べるとタイヤとの間は大分余裕がある。片方に隙間が寄つてるのはフロントフォークがオフセットされてるからだと思ふがどうだらうか。

カンティの調整は慣れてるので手早く済ませた、室内で触つた感じだと制動力は手持ちの自転車で比べるとフェデラル位はある。速度を出さないのであればこれで十分。

次回は変速周りを組み付ける。

サーリー・パグスレイ

f:id:santarou98:20151121160157j:plain

以前の投稿から大分間が開いたが、無事納車。といつても部品が足りないのでまだ動かせない、サーリーのファットバイク、パグスレイ(2006年か2007年型)。現行型パグスレイは乗り降りの利便を考慮し、トップチューブがさらに傾斜してシートチューブトップチューブの間に補強が入つてるが、これは補強が入つてない等色々差異がある。

f:id:santarou98:20151121150804j:plain

f:id:santarou98:20151121150823j:plain

とりあへずあり合はせを取り付けてあるが、ドロップハンドルとギドネットレバー仕様の冬用自転車を目指す。駆動部品は後日買ひ足す予定。

f:id:santarou98:20151121151637j:plain

スレッドステムは予備が多数あるが、アヘッドステムは持ち合はせがなく、100mmだか110mmのUNOを仕方なしに付けてある。長過ぎて自分の体格に合はないし、色も気に食はないので短いのに交換予定。

f:id:santarou98:20151121151838j:plain

ハンドルは日東のB132ランドナーバー(410mm)。数年前に廃番になつたバルジ加工型を安価に入手できたので使ふ。

f:id:santarou98:20151121152306j:plain

ブレーキレバーはダイアコンペのギドネットレバー(DC139)。日本で生産されてた頃の(便宜上いふなら)後期型で、レバーの先端に玉が付いてる。今は亡きフランスのブレーキメーカーマファックが生産してた物に似た形状の前期型も入手したのだが、握りは後期型の方が好みなのでこちらを使ふ。

f:id:santarou98:20151121153353j:plain

ファットバイク用のクランクセットはかなり値が張るが、フレームにおまけで付いてきたスラムのTruvativ Hussefeltを使ふ。36-24t。

f:id:santarou98:20151121153621j:plain

リムはサーリーのラージマージリム。初期型のパグスレイは前後共にMTB向け後用の135mmハブを使つてをり、チェンラインに影響がでない様に上から下にいくにつれて前後エンドを片側にズラす設計がされてゐる。スポークが片方に大きく寄つてるのはそれに合はせた為で、実際にみてみるとかなりの違和感がある。

ファットバイクの殆どは制動力を重視してかディスクブレーキ仕様で、リムブレーキ仕様はほぼないのだが、初期型のパグスレイには現行型にはないカンティブレーキ台座があり、今回はカンティブレーキ仕様で組みたいので、恐らくリムブレーキに対応した唯一のファットバイク向けリムであるラージマージリムを採用した。冬は速度を出す事もまづないので多分問題無いと判断して趣味に寄る……これが駄目ならディスクブレーキ仕様にすればいいだけである。

f:id:santarou98:20151121154635j:plain

タイヤはホイール組みのおまけに廉価に譲つてもらつたサーリーのエンドモーフ、世界初のファットバイク専用タイヤださうな。ファットバイク用のタイヤは各社が生産を始めたものの、どれもこれもまだままだ値が張るのでありがたい。

雪が積もる前に組み上げて冬用自転車として活用したいところだ。

 

1990年に於けるミヤタのツーリング車3種

ミヤタサイクルといへば鉄砲鍛冶から始まつた日本でも歴史のある自転車製造業者で、過去に作られてた自転車もさう悪いものではないのだが、中古市場ではブリヂストン等に比べるとあまり人気がない様に思はれる。人気のない理由としてはWWW上で過去の車種についての情報が少ないのが一にあげられる、過去にどんなブランドで自転車を出してゐたか、そのブランドは高級車なのか廉価車なのか、情報があまりにも少ないために詳細がわからない。

そこで今回は手始めに1990年に於けるミヤタのツーリング車を3種紹介する。1990年といへば80年代中頃が始まつたMTB(当時はATBともいつた)の最盛期で、ロードレースではトライアスロンが持て囃されてゐた頃だ。近年再注目されつつあり、当のミヤタからも数年前に復刻された古典的なツーリング車の衰退期にあたるが、当時の高級車ブランド"アルフレックス"内になんとか3車種は残してゐた様だ。

 

f:id:santarou98:20151031230822j:plain

ミヤタ・アルフレックス ツーリスム1000(ATU-1000)

クロモリ鋼トリプルバテット菅、12.8Kg(525サイズ)

・フレームサイズ…470mm(ATU-4709),525mm(ATU-5259),550mm(ATU-5509)

・タイヤ…26 x 1-3/8(650 x 35A)

・カラー…ブルー、レッド

・シフト段数…前3段 x 後6段 = 18段(サンツアーコンポーネント)

所謂ランドナー型。泥除けは分割加工済みの亀甲型ライン入り、カンティブレーキ、クランクはスギノPXか?車種名はルネ・エルス等に代表されるフランス系オーダー車のカタログ分類の一つシクロ・ツーリズムが由来と推察。

 

f:id:santarou98:20151031230826j:plain

ミヤタ・アルフレックス オダックス1000(AAX-1000)

クロモリ鋼トリプルバテット菅、11.85Kg(535サイズ)

・フレームサイズ…535mm(AAX-5359),555mm(ATU-5559)

・タイヤ…700 x 32C

・カラー…シルバー、ブルー

・シフト段数…前3段 x 後6段 = 18段(サンツアーコンポーネント)

所謂スポルティーフ型(ブリヂストンの分類的にはディアゴナール型?)。泥除けは半丸型、カンティブレーキ。車種名は同名の長距離自転車走行イベントに由来と推察(ややこしい事に長距離自転車走行イベントの一種であるブルベの主催団体もその名にオダックスを冠してゐる)。

 

f:id:santarou98:20151031230829j:plain

ミヤタ・アルフレックス パスハンター1000(APH-1000)

クロモリ鋼トリプルバテット菅、12.40Kg(540サイズ)

・フレームサイズ…540mm(APH-5409)

・タイヤ…700 x 35C

・カラー…イエロー、ブルー

・シフト段数…前3段 x 後6段 = 18段(シマノコンポーネント)

所謂パスハンター型。オールランダーバー、サムシフター、クイックシートピン、楕円ギア(バイオスペース)?、カンティブレーキ。ブリヂストン・ワイルダム パスハンターやアルプス・クライマーがつとに有名だが、ミヤタも作つてたのは知らなかつた。

 

以上3車種お値段は一律72800円(税別)。今はこの値段と内容で作る事はできないだらう。1992年にはツーリスム1000を残して他は廃番になつた様だが手持ちの資料が少ないので詳しいことはわからない。

この年、アルフレックスブランドでは他に日本初を謳つたシクロクロス専用車ミヤタ・アルフレックス シクロクロスや、カーボンレーサー、近年復刻したミヤタ独自のクロモリ鋼SSTB菅を用ゐたトライアスロン車等があつた。