昨年釧路から札幌に来て一緒に走つてくれた自転車友達に会ふ為に釧路へ行く。本当は釧路まで自転車で走つて行ければいいのだが、そんなに長い休みをとれる筈もなく、行き帰りはJR輪行で泊りは現地のキャンプ場を利用する。
今回の相棒、フロント2サイドキャンピングなトラベゾーン ツーリング改650B仕様。前回の富良野旅仕様にキャンプ用具とマッキンリー(みどり製作所)の携帯リュックサックを追加。
9月22日早朝、始発列車に乗るので朝早く駅に着いて早速輪行。
JRに揺られること数時間、太平洋側に出たところで写真を撮る。思へば北海道に住んでゐながら道東に行くことは殆どなかつたので、北海道で太平洋を見るのは初めて。
JR乗車中、自転車一式は席の前に収まつた。指定席なので特に迷惑もかからない。
お昼。乘物醉ひする質なのでバスやフェリーでは大体大人しく寝てるのだが、JRは振動も少ない為か割と平気で、釧路での旅程をあれこれ考へて調べ物などをしてる内に釧路駅へと着いた。
駅前で輪行状態から自転車を組み立てる。
釧路は寒いと聞いてゐたが、この日は珍しく暖かな日であつたらしい。前日まで台風の接近が伝へられて天気も荒れ模樣だつたのが嘘の様な晴天の中を走れた。
おススメされてた、からす亭のカレーを食べた。歐風カレーで辛いのが苦手な自分でも食べやすく、スープと食後のアイスが無料でついてくるのが嬉しい。
店主が老齡の割に筋肉質だとは思つたがどうもボディビルダーであるらしく、半裸でポージングした写真が飾られてるのには驚いた。外に駐輪した自転車をみて興味をもつてくれた様で少し自転車の話をしてからお店を後にした。
交差点にあつて赤錆びて重厚な歩道橋が戦艦みたいで格好良い。
釧路は道東でも大きな街だけあつて自転車屋が意外と多くあり、自転車屋巡りを楽しんだ。
これもおススメされてた泉家ではスパカツを食べた。油が跳ねる位に熱々で出される事を知らなかつたので服が汚れない様に苦心して食べてると、紙エプロン使ひますかと店員さんに聞かれた時には最初に出してくれよと思はずにはをられなかつたが、美味しい。
食後に駅前で友達と合流して友達が贔屓にしてる自転車屋へ。中古自転車が山の様に積まれてあり、店内には新品未開封のブリヂストン・ロードマン(売約済)等がある。店主と話てると同じ話の繰り返しになつてしまふのはどうもボケ始めてる爲らしかつたが、乘つてきたトラベゾーンを少し見ただけで、"タイヤは26インチのオーバーサイズを履いてるなら多少荒れてても平気だね"や"フレームサイズがお兄さんには小さいけど使ひこまれてるね"などと的確に言はれて、長年自転車屋をやつてきただけあるなあと感心。
日も暮れてきて、そろそろお暇しやうかといふ前に鶴居村の無料キャンプ場に泊るつもりだと話すと、そこは遠いし道も暗いので近い方がいいと、山花公園オートキャンプ場をススメられたので素直に従ひ、友達に途中までの案内を頼むことに。
キャンプ場に電話で予約し、19時の最終チェックイン時間に間に合はず到着が20時頃になる旨を伝へると特に問題なく承諾してもらへた。途中地元のスーパーで夜食とお酒を買ひ込む。
山花公園オートキャンプ場までは北海道道835号釧路阿寒自転車道線といふサイクリングロードを走るのだが、市街地を抜けると休憩所以外は周りに何もなく街灯が一切ないので昼間はともかく夜はかなり暗く一人で走るのはかなり勇気がゐる道。
友達の話によるとキツネだけでなく鹿も出るらしい。
一般道との交差点では街灯があるところもあるのだが、基本的には真つ暗。
夜はかなり冷えて昼間と寒暖差があつた為か、頻繁に霧が出て、ホラーゲームによくある辺り一面ドライアイス焚いた様な景色になる上に、道路脇の平原の草叢から動物が動く音が聞こえると怖くて堪らない。
キャンプ場手前で目の前を音もなく鹿が横切つた時は驚いて急停止してしまつた。
色々あつたが20時前にはキャンプ場へ着く。入場料とフリーテントサイト利用料合はせて1990円也。
暗い中テントを張るのには時間がかかる……単にポールを一個挿し忘れてテントが上手く立たないのに気づくのが遅れただけなのだが。
近くにはバイクツーリングをしてる人が最近廉価でも作りがそれなりなことで有名なネイチャーハイクのテントを立ててある。
夜食は阿寒豚じんぎすかんともやしの炒め物。
ジンギスカンを肴にお酒を飲む。
夜はかなり冷えるので寝袋にシュラフカバーをして就寝。1日目をはり。