札幌自転車日記

札幌で(古い)自転車に乗る人の日記。

1990年に於けるミヤタのツーリング車3種

ミヤタサイクルといへば鉄砲鍛冶から始まつた日本でも歴史のある自転車製造業者で、過去に作られてた自転車もさう悪いものではないのだが、中古市場ではブリヂストン等に比べるとあまり人気がない様に思はれる。人気のない理由としてはWWW上で過去の車種についての情報が少ないのが一にあげられる、過去にどんなブランドで自転車を出してゐたか、そのブランドは高級車なのか廉価車なのか、情報があまりにも少ないために詳細がわからない。

そこで今回は手始めに1990年に於けるミヤタのツーリング車を3種紹介する。1990年といへば80年代中頃が始まつたMTB(当時はATBともいつた)の最盛期で、ロードレースではトライアスロンが持て囃されてゐた頃だ。近年再注目されつつあり、当のミヤタからも数年前に復刻された古典的なツーリング車の衰退期にあたるが、当時の高級車ブランド"アルフレックス"内になんとか3車種は残してゐた様だ。

 

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ミヤタ・アルフレックス ツーリスム1000(ATU-1000)

クロモリ鋼トリプルバテット菅、12.8Kg(525サイズ)

・フレームサイズ…470mm(ATU-4709),525mm(ATU-5259),550mm(ATU-5509)

・タイヤ…26 x 1-3/8(650 x 35A)

・カラー…ブルー、レッド

・シフト段数…前3段 x 後6段 = 18段(サンツアーコンポーネント)

所謂ランドナー型。泥除けは分割加工済みの亀甲型ライン入り、カンティブレーキ、クランクはスギノPXか?車種名はルネ・エルス等に代表されるフランス系オーダー車のカタログ分類の一つシクロ・ツーリズムが由来と推察。

 

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ミヤタ・アルフレックス オダックス1000(AAX-1000)

クロモリ鋼トリプルバテット菅、11.85Kg(535サイズ)

・フレームサイズ…535mm(AAX-5359),555mm(ATU-5559)

・タイヤ…700 x 32C

・カラー…シルバー、ブルー

・シフト段数…前3段 x 後6段 = 18段(サンツアーコンポーネント)

所謂スポルティーフ型(ブリヂストンの分類的にはディアゴナール型?)。泥除けは半丸型、カンティブレーキ。車種名は同名の長距離自転車走行イベントに由来と推察(ややこしい事に長距離自転車走行イベントの一種であるブルベの主催団体もその名にオダックスを冠してゐる)。

 

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ミヤタ・アルフレックス パスハンター1000(APH-1000)

クロモリ鋼トリプルバテット菅、12.40Kg(540サイズ)

・フレームサイズ…540mm(APH-5409)

・タイヤ…700 x 35C

・カラー…イエロー、ブルー

・シフト段数…前3段 x 後6段 = 18段(シマノコンポーネント)

所謂パスハンター型。オールランダーバー、サムシフター、クイックシートピン、楕円ギア(バイオスペース)?、カンティブレーキ。ブリヂストン・ワイルダム パスハンターやアルプス・クライマーがつとに有名だが、ミヤタも作つてたのは知らなかつた。

 

以上3車種お値段は一律72800円(税別)。今はこの値段と内容で作る事はできないだらう。1992年にはツーリスム1000を残して他は廃番になつた様だが手持ちの資料が少ないので詳しいことはわからない。

この年、アルフレックスブランドでは他に日本初を謳つたシクロクロス専用車ミヤタ・アルフレックス シクロクロスや、カーボンレーサー、近年復刻したミヤタ独自のクロモリ鋼SSTB菅を用ゐたトライアスロン車等があつた。